2016年、外国人観光客の数は2400万人を超え、日本は観光大国の仲間入りを果たしたといっても過言ではないでしょう。
インバウンドの目的は十人十色ではありますが、いずれにしろ大きな額の消費があり、そのために多大な経済効果を生むことになります。
そのため、まずは国別・目的別の基本的データによる平均消費額の分析により、様々な訪日インバウンドの態様を見ることで
あちらこちらに転がるインバウンドビジネスのチャンスに向けての施策の礎にしてみてはいかがでしょうか。
急増する訪日インバウンド
平均消費額は?
2015年の外国人観光客の消費額は3兆4,700億を超えました。
史上初めての3兆円の突破となり、前年比にするとなんと70%以上の増加です。
これを一人当たりの平均消費額にすると17万6,168円といった数字が残っており、こちらも16.5%の増加となっており、金額の面においても、訪日インバウンドがいかに重要な産業であるかを理解して頂けることと思います。
今回はその外国人観光客の訪日インバウンドにおける実際の消費額と消費の目的をデータによって分析します。
目的別、国別の消費額は・・・
総額を目的別に検討すると、下のグラフのような結果となりました。
下のグラフは、2014年度との比較グラフです。
総額が1兆円以上も増加しているため、各目的別でみても軒並み増加しています。
その中でもやはり買い物代が最も消費される額(1兆4,539億円。全体の41.8%)であり、次いで宿泊費(8,974億円。全体の25.8%)
飲食費(6,420億円。全体の18.5%)の順になっています。
次いで外国人観光客の消費額を国籍別に検討すると、中国・韓国・香港と東アジアの3国が上位を占めています。
この3国はインバウンド数も多い国々でありますが、米国やヨーロッパの国々はアジア人ほど多くの額を消費していないことが分かります。
次に、「国籍地域別にみる訪日外国人一人当たり目的別の平均消費額」の表を下に示しました。
中国や韓国人をはじめとするアジア人は「爆買い」の言葉にも代表されるように、やはり買い物額への出費が最も多くなっている一方、宿泊費への出費は最も少なくなっています。
これは、アジア人は買い物を主な目的とした短期滞在型のインバウンドになっていることを示しています。
一方で、アメリカ、ヨーロッパからの観光客は東アジア諸国とは異なり、宿泊費への出費が最も大きな数字を記録しており、次いで飲食費や娯楽費も軒並み大きな数字を記録しています。
これは、アメリカやヨーロッパからの観光客は日本の伝統文化や風土をじっくり味わうことを目的とした長期滞在型インバウンドとなっていることを示しています。
外国人観光客の国籍によって訪日インバウンドの目的が違うことが分かりました。
(国籍地域別にみる訪日外国人一人当たり目的別の平均消費額)
今後さらに増加していくインバウンド
2016年には過去最大数の外国人観光客数を記録したと前述しましたが、外国人の日本に対する関心の高まりとともに
2020年に東京オリンピックを控える中で、インバウンド数はさらに増加していきます。
実際に観光庁は2020年の外国人観光客数を現在の倍の数である4000万人と見込んでいます。
したがって確実な成長産業である訪日インバウンドですが、企業としてその対策をしていくことが非常に重要であり、ビジネスチャンスの拡大にもつながります。