「着地型観光」(ちゃくちがたかんこう)という聞きなれない観光の形が、今、脚光を浴びつつあります。
海外旅行というと自国の旅行会社に行きプランを立てて、いざ出発というイメージが強いのではないでしょうか?
現に外国人旅行客の多くは、この形態で旅行を予約することが多いです。
しかし、この典型的な旅行形態に変化が起きようとしています。
外国人観光客の日本旅行は着地型観光へ
「発地型観光」(はっちがたかんこう)から「着地型観光」(ちゃくちがたかんこう)へ
文頭でも述べたように、これまでは旅行者が暮らす自国(発地)の旅行会社が作るプランに沿って観光するのが一般的でした。
この旅行形態を「発地型観光」と呼びます。
そして「発地型観光」に対して近年注目を集めているのが「着地型観光」です。
「着地型観光」は外国人旅行者の訪れる国、地域(着地)から観光のプランを提案する形態の旅行を指します。
「着地型観光」の最大の魅力は、現地の人が企画しているので旅行会社が企画したそれよりも深い体験ができることにあります。
以前は日本人向けの旅行形態だったのですが、訪日インバウンドが注目される近年では専門的なニーズを持った外国人旅行客に向けたプランが急増しています。
「着地型観光」が注目される理由
多くの外国人旅行客が日本に訪れる今日の現象を訪日インバウンドと呼びますが、外国人旅行客の訪日の目的に変化が見え始めています。
近年ではニーズの多様化に伴い、団体旅行では個々のニーズの充足が難しくなり、FIT(海外個人旅行)に移行する傾向があります。
団体旅行では、メジャーな観光地観光や体験はできるものの、それが自分の本当に「見たいもの」「やりたいこと」ではない場合が少なくないようです。
そのため、FITに移行する外国人旅行客の多くは、より深く日本文化を体験したいという専門的なニーズを持っています。
このような専門的なニーズを充足するためには、地元をよく知った地方団体によってより深くプランニングされた旅行パッケージが必要になります。
「現地の人ともっと話がしたい」「ローカルな文化体験がしたい」という外国人旅行客が増えていることが「着地型観光」が注目されている理由です。
「着地型観光」普及の背景
「着地型観光」が可能になった背景には、急速なインターネットの普及があります。
旅行会社は不特定多数のニーズの充足が求められるため、専門的な体験をツアーに組み込むことは非常にリスクがあります。
そのため、これまでは一部の外国人旅行客に向けたディープな体験が認知されることはありませんでした。
ですが現代において、世界へ向けた情報の発信自体はとても容易になりました。
そのため、ディープな体験を旅行会社を介さず直接プロモーションできるようになり、「着地型観光」が1つの旅行形態として成り立つようになったのです。
「提示された数種類の中から選ばされる時代」から「無数の情報から自分に合うものをピックアップしていく時代」へと変化しているのです。
しかし、情報発信自体が容易になった分、ネット上には膨大な情報が溢れており、その中から自分のニーズに合う情報を選定することが難しくなっています。
最適な着地型観光のインバウンド対策とは
WEB上に溢れる情報の中から1つを選んでもらうためには、専門的な工夫が必要不可欠です。
例えば、検索結果の1ページ目に表示される情報は多くの人の目に触れますが、後ろになればなるほど機会ロスが発生してしまいます。
非常に魅力的な体験ができるプランを考えても、膨大な情報の1つとして埋もれてしまえば外国人旅行客に選んでもらうことはできません。
また、訪日する外国人旅行客の多い英語や中国語、韓国語に翻訳する必要もあり、個人でこの対策を行うのは容易ではありません。